西洋占星術と言えば、ほとんどの人が現代占星術から入る方が多いかと思います。雑誌やテレビやネットなどのメディア上の星占いは、現代占星術をベースにしているものが多いでしょう。
ただ、近年古典占星術が再び見直されるようになってきています。日本語の書籍も何冊か出ているので、学びやすくなっているのも理由にあるでしょう。
現代占星術も古典占星術も一番基本となる土台は一緒です。サイン、惑星の位置などは同じです。では、何が違うのでしょうか。
古典占星術と現代占星術の特徴

古典占星術では肉眼で観測できる天体であることが重要です。惑星の光はそのままパワーであると考えられていたからです。
その為、古典占星術で扱うのは太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の7天体まで。実はこれらはすべて曜日になっている惑星達です。曜日も古代の星の観測から生まれ、その仕組みは現在までずっと続いていますが、実は日曜日は太陽の日、月曜日は月の日、火曜日は火星の日でもあるのです。
そして、古典占星術で扱うアスペクトはメジャーアスペクトのみです。
現代占星術では、肉眼で見えない惑星、天王星、海王星、冥王星なども使います。その他にも、キロンを使ったり、小惑星を使ったりすることもあります。
現代占星術では、アスペクトもメジャーアスペクト以外の、マイナーアスペクトと言われる30度や150度などを取り扱ったりもします。新しい技法もたくさん生まれました。
どちらも、鑑定には占星術師独自の見方も入ってくるのですが、古典占星術は現代占星術よりも厳密で細かい決め事があります。その為、勝敗や判定を得意としています。
現代占星術は多くの天体やアスペクトなどを使う分、より自由度が高く、物語を紡ぎながら心へアプローチしていきながら、未来の物語へと発展させていくようなことが得意となります。
肉眼で見えない星を扱う現代占星術
心の探求を始めた現代占星術

現代占星術は肉眼で見えない天体が使われています。天王星、海王星、冥王星が発見されるにつれ、目に見えない心の領域の開拓、探求することになります。
肉眼で見えないけど当時発明された望遠鏡でなら見ることが出来た天王星の発見(1781年)頃から、技術革新が起きていて、天王星は新しい技術、発見、革命などが象徴となりました。このように惑星の発見とともに、その時代の特徴的なことを象徴しながら、現代占星術は成長していっています。
1846年に海王星の発見され、その後フロイトによる無意識の発見がされています。それにより心理学が大きく発達しました。心理学は現代までずっと研究、発達し続けています。
1930年に冥王星が発見されました。冥王星には、深層心理、心の闇、変容や根本的変化などの意味も持っています。
現代占星術は、心理学と共に発展してきた分、心理の分野と相性が良いようです。例えば、冥王星には、死と再生、破壊と再生など、ちょっと怖いイメージがあります。でも、冥王星が関わっているから、直接的な死を意味したり、破壊活動が起きたりする訳ではありません。
「根本的に変化するきっかけを与えられる」、「誰かとの深い関係を築き上げることによって以前の自己が死を迎え新しい自己が生まれる」と言う様な解釈され、当人は人生の見え方が変わり、人生をよりよく生きることが出来る様になることが多々あります。
時代で色付けされていく惑星
現代占星術が発展した時代は、古代に占星術が発展した頃には無かったものが次々と発明されていった時代でもあります。望遠鏡は無かったり、電話も携帯電話も、車や電車も無かった時代。見えないものを扱うことが多くなりました。電波、周波数、菌やウィルス、ガス、深層心理、集合意識など、これらを象徴するものは、天王星以遠の天体が担っていたりします。
赤外線や紫外線は目に見えないけど、今では計測することが出来る、深層心理や集合意識は見えないけどそう考えることで、全体像が掴めたり、予測が立てられるようになることから、それが在るものだと考えられるようになりました。
古典占星術と現代占星術の使い分け
混ぜるな危険
古典占星術と現代占星術では、基本的用語に共通言語や共通の規則があったとしても、それぞれの解釈の仕方がちょっとずつ違っていたりします。もちろん、現代占星術には、古典占星術からそのまま受け継がれた部分も多くありますが、現代占星術ならでは成長、発展してきた部分も多くあります。
でも、現代占星術では古典占星術の技法がすっぽり抜け落ちてしまっているところもあります。
その為、ひょっとすると同時に学び始めると混乱を来たすことになるかもしれません。
また、同じ占星術だからと、古典占星術と現代占星術の意味を無理して繋げようとすると、世界がどんどん破綻してしまい、混乱を来たしてしまいます。どうにか辻褄を合わせることに労力を使うことになり、結果的に効果的な鑑定がまったく出来ないと言うことに陥りがちになります。
それは、同じ卵料理でも、ゆで卵とオムレツを作る違いの様なものです。卵を割ったらゆで卵は出来ません。殻を割るのか、いつ火にかけるのか、工程が全然違います。同じ卵と言う材料から別々のものが出来る、古典占星術と現代占星術はそれと同じ様なことになります。
古典占星術の得意な面と現代占星術の得意な面は違います。
もし古典占星術と現代占星術を学びたいと思うなら、まずはどちらかを集中して取り組んでみる方がよいでしょう。
