誰もが迎える惑星イベント

ホロスコープは人によって違います。その個人において降り掛かる出来事は様々であり、その時期もその人によって当然異なってきます。ですが、誰でも通る惑星イベントがあります。惑星の周期は大体決まっているので、それらが一周した頃やスクエアやオポジションの頃に、人も何らかの変化を迎えやすくなっています。

29歳辺りで迎えるサターンリターン

一番有名なのは、サターンリターンです。土星は29年かけて黄道を一周します。出生した時の土星の位置に、再び土星が戻ってくる29歳前後は何かしら壁にぶつかる人が多いです。この時期と言うのは、「若者の意識でいたい」と言う欲求や「立派な大人に導いてほしい」と言う期待などがありますが、そう言う自分の思いとは別に、社会からは一人前扱いされるので、適切な指導者を望んでもいないのです。

自分の責任のもとに周囲の状況などを考えながら、決断をくださなければならない局面を迎えたりします。年齢期では太陽域の前半になり、自分の能力を外に出していく時期でもあるのですが、自分勝手なやり方では認められず、常に社会的な責任が伴うことを自覚させられます。

「会社で問題ある子がいるんだよね」と言う話を聞くとだいたい29歳だったりします。これは、ちょうどサターンリターンを迎えた人が、自分の欲求と社会から寄せられる期待のバランスを取ろうとしている時であり、一人突っ走ろうとして失敗していたり、必死でしっかりした自分を見せようと何故かツンケンした態度になっていたりしています。サターンリターンをうまく乗り越えると、バランスが取られてきて、熟成してきたりします。

誰もが迎える惑星イベント

このサターンリターンの様に、占星術では「だいたい何歳くらいで起きる惑星イベント」と言うのがあり、それは誰でも通る道となります。この様な時期は、年齢的にも節目を迎え、心理面でも成長する時になり、肉体的にも変化が起きる時です。受け入れやすいか、受け入れにくいかは人によりますが、何らかの緊張を強いられ成長する時期になるでしょう。ちなみに、そのテーマをその時期に乗り越えない場合や回避した場合、そのテーマは次回へと繰り越されます。そう言う選択の一つ一つに、その人の人生がどう彩られていくかが決定されていくのです。

惑星イベントの一覧

どういう時期なのかを知っておくことで、必要以上に苦しまなくても良いかもしれません。土星のサターンリターンが29歳前後にあることを知っておくと、この時期に会社や仕事で悩んでいることは、多くの同年代がその道を辿ったし、先輩や年上の人でもその苦労を味わっていて、自分だけではないと言うことがわかるでしょう。そこに救いが得られ、前を向く力になります。

また、幼少時期を知っておくことで、子育て最中の人にとっては、子供への理解にも繋がることでしょう。2歳児の火星については、占星術を知っているが子育て経験を思い出してみると、2歳児が火星で象徴されることに深く納得されるのではないでしょうか。terrible twoと呼ばれるこの時期の反抗期は、火星の象徴のまんまです。子供は初めて火星と言う鋭いエネルギーを取り入れなければならず、それを思いっきり表現しているのです。

以下に惑星イベントをリストしてみました。他にもありますが、土星メインに追っています。土星は、誰でもが共感し得る苦労と言う感じでしょうか。

年齢天体
サイクル
内容惑星
年齢期
    
2歳頃
    
     
火星リターン
     
火星によって火星が刺激されるので、攻撃的、反抗的になります。一般的にも第1次反抗期「イヤイヤ期」とも呼ばれています。このイヤイヤ期を通して、自立心、主張することを体に覚えこませていきます。小さな自我が芽生えている時期です。   

   
7-8歳頃土星ロアー・スクエア水星の年齢域が始まる頃の土星スクエア。小学校へ入学の頃。暖かいぬくぬくした環境から、学校と言う外の世界に弾き飛ばされます。学校と言う環境下に長くいることになり、親から離れる時間が多くなります。子供ながら、生きていく厳しさを知り始めます。   
水星
   
13-14歳土星オポジション出生土星の反対側に運行の土星がやってくる。大人への反抗、対抗する意識が芽生えてきます。思春期の自己確立と自己証明の時期です。金星の年齢期が始まり、自分だけの世界を構築したがり、家族よりも友達が大事になってきます。同時にまだ両親からのケアが必要とされる時期です。   
金星
   
21-22歳土星アパー・スクエア
天王星スクエア
就活、入社などの時期で、職業の選択迫られる時期です。一人の大人としての判断や責任が問われていきます。土星の刺激により社会の厳しさ、天王星への刺激により自立が促されています。   
金星
   
29‐30歳土星リターンいわゆるサターンリターンを迎えます。社会において、責任が増してきます。手取り足取り教えてくれる存在もいなくなり、失敗も自分の責任になります。孤独や孤立を感じることもあるでしょう。これまでは気にしてくれた先輩や上司も、困ったとしてもすぐには気にかけてくれません。この時期は自分から相談出来るかどうか、アドバイスを受け入れられるかどうかが鍵になります。   
太陽
   
35-37歳土星ロアー・スクエア何かと責任や任務の増加の時です。課長や係長と言ったグループに対する責任が生じてきます。親や実家の責任なども生じてくることもあるでしょう。社会的にも個人的にもあれこれ奮闘する時です。   
火星
   
42-45歳土星オポジション
天王星オポジション
再び土星と天王星の刺激です。中年の危機と呼ばれる時期です。肉体的な衰えを感じ、それは無視できなくなります。勢いや体力勝負でやって来た人は、病気や怪我により自分を振り返るかもしれません。これまでのがむしゃらなやり方を見つめなおし、効率性を高めると同時に、これからの半生の生き方を見つめなおす時期です。   
火星
   
50-52歳カイロンリターン
土星アパー・スクエア
幼少の頃を振りかえることがあるかもしれません。その頃に受けた心の傷が作ってきた人生を見つめるようなことがあるかもしれません。心の傷は癒され、より人に優しく、心の弱さにも敏感になります。制限されていた心を解き放つ様な体験をする人もいるでしょう。過去出来なかったことをやろうとするかもしれません。
土星スクエアにより、不要なものはそぎ落として、身を軽くし、人生で本当に大事なものをだけを残していく決断をします。人生の軌道修正を試みる最後のチャンスかもしれません。後継者の育成も考えるようになるでしょう。
木星
58-60歳土星リターン二度目のサターンリターンです。人生を統合していく時です。やり残したことはないか見つめなおす時でしょう。同時に、自分が得てきたものを、若者に分けあたえて行く時です。指導、継承などを通して、自分の生き様を後世に伝えていきます。老後の人生設計が大きな課題になるでしょう。土星

参考図書

占星学/ルル・ラブア

もう昔に亡くなられた方ですが、私が最初に購入した占星術の本だったかな。当初は読んでみると、その若さ故に内容が怖く感じられたのですが、人生を経てから読み返すと深く頷くことが多くあります。今、新装版が出ているようです。

土星や木星のトランシットによるスクエアを、アッパー・スクエアとロアー・スクエアと言う2種類のスクエアとして捉えていて、これがとてもスクエアの考え方に役に立ちます。ちなみに、どっちがどっちなのか昔はまったくわかりませんでした(笑)

アパー・スクエアが、土星と土星のオポジションが起きた7~8年後に起きる土星と土星のスクエア、ロアー・スクエアが、土星と土星のコンジャンクションが起きた7~8年後に起きる土星と土星のスクエアとなります。わかりますでしょうか?

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