心理占星術~半球の強調~

半球の強調では、個人の幼少時の環境、そこから受けた強いストレス、それによって引き起こされるであろう心理的な防御パターンなどを読み取ることが出来ます。

そして、そこから全体を見て、個人のストーリーを想定していきます。月の欲求はストレートに出やすいのか、太陽は人生をどう照らしているのか、半球の強調と掛け合わせて見ていくことで、クライアントの理解に繋がります。

半球の強調

ホロスコープ上の偏りは、エネルギーの偏りです。それは、才能として見ることも出来ます。ですが、才能として発揮する前に、大抵は行動や思考のパターンが本人の望まぬままに固着されてしまい、その人の人生の足を引っ張っていたりします。それに気付く時、それまでの経験を自分の中で昇華させ、自分自身の能力や才能へと発揮していくことが出来るでしょう。

北半球の偏り

IC側への天体の偏りは、その個人が育ってきた環境、家庭環境へエネルギーが強く流れていることを示します。大抵、初期の家庭環境において未解決な問題が山積みになっています。誰にでも幼少期の問題はあるのですが、北半球の偏りが強い方は、それが直接的に人生に圧し掛かってきます。人生を歩もうとすることに対し躊躇し、外へ出ようとすることに抵抗を感じるかもしれません。

例えば、家族の誰かが○○になってくれさえすれば、自分の人生は好転する、と思いがちだったりします。でも、それは逆だったりします。この人々にとって必要なのは、社会と関わること。そうすることで、人生が進みだす感覚を得るでしょう。人生を踏みとどませている問題について、誰かと話し合うことが必要かもしれません。

東半球の偏り

アセンダントを中心とした東側への天体の偏りは、幼少の頃に自己や自己イメージへの激しい傷付き体験をしている可能性があるでしょう。その結果、どこか防御的な態度となってしまって、人に心を開けず、人間関係での問題を引き起こしているか、人との絡みを回避していることがあるかもしれません。

何でも一人で背負い込もうとします。早くに自立させられたこのタイプの人々は大抵何でも自分で出来てしまい、他人に任せるよりも自分でやった方が早いからです。でも、その場合、人と協力し合って得られる喜びや成功を手に入れることが出来ません。人生が小規模になってしまい、いつもどこかジレンマを感じたままになるでしょう。人に関心を持つことで自分一人でない感覚を得るでしょう。辛い記憶やトラウマなどは、信頼できる誰か、出来たらカウンセラーやセラピストなど、過去の傷付き体験について話すことで、人との信頼を取り戻していけるでしょう。

南半球の偏り

MC側への偏りは、世間体や周囲の評価を気にしすぎてしまって、それによって人生が荒波になっているかもしれません。荒波を楽しんでいる分には良いですが、大抵はかなり疲弊して犠牲になっていることが多いでしょう。プライベートの時間にも仕事や社会を持ち込みやすい為、しっかり休息や余暇を持つことが大切です。親の期待値をずっと背負わなくても良いと言うことへの自覚が必要かもしれません。

世間体、社会的な評価、成功などに振り回されて、安らぐこと、安心感などを得られていない可能性があります。自分の居場所をずっと求めている、そんな感覚を持っているかもしれません。家族との時間を大事にする、合理的や役に立つから離れ、無駄と思われる時間を過ごす、余暇を楽しむ、などで心の安らぎを得ます。それが、また次の成功への力の源になり、人に振り回されることなく自分自身の成功の為の力となっていることに気付くでしょう。

西半球の偏り

ディセンダント側への天体の偏りは、他者へ流れるエネルギーの強さを示し、自分を他者に明け渡してしまう傾向があります。人の気持ちを察知したり、人の望んでいることがわかるので世話を焼いたりするのですが、根底にあるのは他人に受け入れてもらいたいと言う思いで、それが強すぎだったりします。誰かに認めて貰えれば、自分は価値がある、と言う様な思いを持ちやすく、とにかく相手に認めて貰おうと必死で自分を差し出します。

でも、それは何れ不自然な関係性を生み出します。また、与えても与えても得られない不全感を覚えるでしょう。このタイプの人々にとって必要なのは、自分自身の思い、ニーズ、自身の価値観に目を向けること。自分自身が何をしたいのか、どうしたいのかを考える為には、自分の時間を持つことが大切でしょう。依存と自立の問題が人生のどこかのタイミングで大きなテーマになるでしょう。

参考書籍

心理占星術コンサルテーションの世界/ノエル・ティル

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