前世占星術

出生チャートの前世からの影響

ホロスコープと前世との関連はいろいろな解説があります。ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル、土星、冥王星などが、割とカルマとして言われたりします。また、ホロスコープ全体を前世からの影響とし、チャート全体に前世からの課題や試練が組み込まれていると鑑定することも出来ます。

前世の影響を考えるということは、輪廻と言う概念を受け入れることであり、同時にカルマを受け入れることになります。人は死んで終わりでなく、生まれる前から続いていて、死んだ後も続いていくことになり、それを運んでいるのが霊魂や魂であり、それらは死んでも消えてしまうことはないという概念です。

その様な捉え方をした時に、魂は常に成長し進化することを願っていると言う概念を無視することは出来ません。魂は目的を持ってこの地上に生まれてくるとされ、その魂にとって最も成長出来る配置、そして環境を選んで生まれてくることになります。

占星術で前世を知りたいと言う場合、ある程度哲学的なことや宗教的な概念を理解する必要が出てくるでしょう。

あくまで現世を生きる

前世と言うのは過去のこと。

ありがちなのは、前世を知ってそこに感情移入したまま、その過去に留まり続けてしまう様なこと。以前お会いした方で、「私の前世はいろいろあります。神官だったり、国王であったり、犠牲者だったり色々見つけたんです。」と誇らしげにおっしゃっている方がいました。でも、目の前にいるその方は、とてもそのようには見えず、影が薄くどこか宙に浮いているような感じがしました。輝かしい前世にエネルギーを注ぎすぎてしまっていて、現世を生きることを忘れているようでした。現世に注ぐエネルギーが薄いから、自分の人生をままにならない状態となっていました。

前世に感情移入しすぎてしまうと、前世のエネルギーが無造作に立ち上がってしまいます。人生自体が混沌とし、薄ぼんやりとしてしまいます。常に得ることのない夢を見ている様な状態を強化してしまい、現世の自分自身を受け入れられずにいることになります。

これは、あなたと言う人格に、前世の人格、また別の前世の人格、さらに別の前世とそれぞれへのエネルギーの分散が起き、現世でのあなた自身のアイデンティティに問題が生じるのです。あなたが何か願いを持ったとしても、天からするとエネルギーレベルで見るので、あなたの周りには混在したエネルギーが巻き付いてしまっています。それぞれの前世の人格は好き勝手にああだこうだ言っていて、あなたの願いはかき消されてしまっている状態になっています。

現世で起きている機能しないパターンの改善、能力の抑圧から解放、自分自身の願いをクリアにする為には、前世のエネルギーを閉じていくと言うことが大切です。

そうすることで、現世で生きるあなたの存在が明確になってきます。天は誰にフォーカスすれば良いか、誰の願いを叶えれば良いかはっきりするでしょう。

カルマの種類

カルマとは、自分の自分で蒔いた種を自ら刈り取らなければならないと言うことです。カルマには、過去の過ちの報いを受けると言うことだけでなく、善き行いへの報いもあります。本来、カルマ自体には良いも悪いもありません。言い換えると、カルマとは宇宙の摂理とのバランスをもたらすものとも言えるかもしれません。

人は常にカルマを作り続け、刈り取っていることになります。ですから、今日の行動から変えて行くことで、刈り取るカルマが変わってくるでしょう。

以下出生チャートから読み取るカルマの種類です。

功績的カルマ

前世において正しい行為、修得したあらゆる課題、実際に役立てた洞察力のすべてに対する報酬。才能として現れます。

出生チャート:ソフトアスペクト、特殊な惑星配置、2ハウスの強調

報酬的カルマ

前世における正しい行為、他人を助ける為にはらった犠牲。

出生チャート:助力を得ることを示す惑星配置、調和のとれたアスペクト

救世的カルマ

他人を助け、世の中に奉仕し、集団的カルマの浄化を促進するために生まれている。

出生チャート:海王星、12ハウスの強調。12ハウスのノースノード。

因果応報カルマ

自分が他人にしたことがそのまま返ってくる。

出生チャート:非常に複雑なアスペクトおよび惑星配置。6ハウスと12ハウスの強調。

執着性カルマ

いくつもの前世を通して形成される。頑固な態度、根深い性癖、頑なで習慣的な心的態度、現世における何らかの病気。「いくらあっても満足できない」と言う思いは、何らかの中毒性として体に現れる可能性。静脈や心臓疾患は、頑なな心や傷付いた心がもと。理想に対する執着。

出生チャート:固定アスペクト、6ハウス。

器質性カルマ

前世で負った怪我や健康状態を反映。前世の身勝手な振る舞いは肝臓疾患、出血多量による衰弱死は貧血など。

出生チャート:6ハウス

仕事のカルマ

過去の雇用形態は現世にも影響し、前世の仕事を続ける為に生まれ変わってくる魂もある。仕事のカルマは、前世が原因となって発生。前世で安全対策が不適切で多くの犠牲者を出してしまった工場主は、安全管理や消防士になりたいという強い欲求を持って転生。

出生チャート:6ハウスと10ハウス。天王星は技術関係のカルマ(特に6ハウスと12ハウス)。

象徴的カルマ

出生チャートにはすべてのカルマがわかりやすく現れている訳ではないので、解読する必要がある。

コミュニケーションのカルマ

観念形態、偽善、嘲りにまつわるカルマ。ひとつの観念に固執すると、それがどんなに価値があるものでもイデオロギーのカルマが作られる可能性がある。他人の信念、宗教、哲学に口出しした場合もカルマが作られる。心にもないことを言ったり行動したりすると、偽善のカルマが発生。他人の苦しみ、思考、信念、行動を嘲ることにより、嘲りのカルマが生じる。

出生チャート:水星とのアスペクト、水星のハウス。9ハウスはイデオロギー、3ハウスはゴシップ、12ハウスは中傷。

使命と怠惰のカルマ

あなたが実行しなかったことは、行ったことと同じ比率のカルマを持つ。いつもお決まりの行為を繰り返すだけで、新たな行動を起こしたり教えを学んだりすることを避けていると、堂々巡りを始め、それに気付くまで何度も繰り返し戻ってくる。

出生チャート:ハードアスペクト、固定アスペクト、セクスタイルの強調。

人間関係のカルマ

人間関係のカルマには様々な形態がある。愛に関するカルマ。愛を手放そうとしないカルマ、愛に気付かないカルマなど。家庭、グループ、職場などで発生。

出生チャート:5ハウス、7ハウス、8ハウス。金星とのアスペクト。

誓約と約束

前世で結んだ誓約と約束は現世に強い影響を及ぼす。誰かのためにいつも傍にいる約束をした場合、人間関係のカルマを受ける可能性。貞節を誓った過去は、現世の性生活に強い影響。清貧の誓いは、現世の物質的な豊かさに深刻な影響を及ぼす。

出生チャート:貞節は火星や金星のハードアスペクト、8ハウスの土星。清貧は2ハウスや8ハウスの土星、牡牛の土星、土星と木星とのアスペクト。人間関係における約束事は、個人惑星と土星や海王星とのアスペクト。

参考図書

カルマ前世占星術/ジュディ・ホール

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